聴こえない私が日本の大学に挑戦した話
こんにちは!今回は私、アルナ・チャンティアルの体験談を紹介します。
ネパールでは、試験で悪い点を取った人は「じゃがいも」と言われます。これはネパールで有名な俗語で、このように言われるのは、じゃがいもが数字の「0」の形に似ているからだと思います。英語が得意だと言われている私も、実はTOEFL(外国語としての英語のテスト)でじゃがいもに相当するくらいの失敗をしてしまったことがあります。笑 以前、デフシルの創設者で英語がとても得意な修平さんに「もし修平さんが英語の先生で、私の英語を評価するとしたら、50点満点中何点くれる?」と聞いたら、「100点、いや120点あげる!!」と即答されました。そんな私が、どうしてTOEFLの試験で、じゃがいもに相当するくらいの大きな失敗をしてしまったのでしょうか…?
それは、2017年の夏、私が留学しようとしていたときのことです。私は、Itahariという地域にあるネパール・ニューコヴェナント大学の遠隔教育システムで、神学の学士号を取得していました。修士号の取得も試みたのですが、遠隔での教育システムが提供されていなかった上に、カトマンズで神学を学べる大学は、どこも車椅子に対応していませんでした。そこで、私は海外留学に挑戦してみようと思い、日本の東京基督教大学に応募することにしました。
目の不自由な友人がアメリカに留学したり、車椅子の友人がオーストラリアに留学して成功したりしていたので、「私も留学してみようかな」と思ったのです。聴覚障がい者の方で留学している人は知らなかったので、「誰もしていないのなら、私が最初の人になろう!」という、デフシルの日本人メンバーであるまっこさんと同じようなモットーで、私は海外留学に挑戦することにしました。
入学応募のメールが無事に受理され、学業成績を確認してもらったところ、私は奨学金を受けるにふさわしいと認められました。そして、私の複数の障がいを受け入れてくれた上に、彼らの大学はすべての障がい者に優しいのだと言ってくれました。その言葉に私は強く励まされましたが、様々な手続きに加えて、TOEFLで高いスコアを獲得しなければなりませんでした。
そして試験当日…私にとって予想外の事態が起きました。私が事前にお願いしたにも関わらず、試験の追加時間が与えられなかったのです。それに加え、私は試験の1ヶ月前に突然結核と診断され、発熱がひどかったので車椅子にじっと座っていることができず、15分ごとにストレッチをしないと全身が崩れるような感覚に襲われました。その結果、限られた時間の中で、問題を理解しているのにうまく答えを記入することができなかったのです。とても悲しく、悔しい気持ちでいっぱいになりましたが、神様の思し召しだと思って私は受け入れました。
TOEFLの試験後、失敗して落ち込んでいた私は、神様に尋ねました。「神様、こんなことになってしまうなら、どうして私は留学に挑戦することにこんなに夢中になってしまったのでしょうか?」、と。この質問の答えは、最近まで2年間ずっとわからないままでした。そしてその答えはこうでした。「……この経験を、いつかあなたがデフシルに書いて、多くの人に届けられるように。」と。
もし私がTOEFLに合格していたら、きっと勉強に追われて、修平さんやデフシルと出会うことはできなかったでしょう。聖書には、「たとえ失敗しても、神様はいつも私たちのために、素晴らしい計画を用意してくれている」と書かれています。私の人生において、この言葉はまさにそのとおりでした。私のあの経験は、修平さんやデフシルと出会い、皆さんにこの記事を読んでもらうためにあったのです。私の失敗談が、障がいを持っている方々を落胆させてしまわないかと少し心配もありますが、英語が得意で自信があれば、きっと海外で活躍をしたり成功したりできると思います。期待しています。
最後に、修平さんをはじめとするデフシルメンバーの方々、そしてこの記事を読んでくださっている皆さんに心から感謝します。ありがとうございました。
TOEFL-外国語としての英語のテスト(Test Of English as a Foreign Language
B.Th.-神学の学士号
NNC- ネパール・ニューコヴェナント
TCU- 東京基督教大学
M.Th.-神学修士号
TB- Tuberculosis(結核
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